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                                            2011/10/2の礼拝説教
  ユダの心

   詩編1:1〜6
   Uテモテ2:14〜21
   マルコ14:10〜11              皆川尚一牧師
ユダの心
  ときに、12弟子のひとりイスカリオテのユダは、イエスを祭司長たちに引き渡そうとして、彼らの所へ行った。彼らはこれを聞いて喜び、金を与えることを約束した。そこでユダは、どうかしてイエスを引き渡そうと、機会をねらっていた(マルコ14:10〜11)。

  聖書は、ベタニヤのマリヤの美しい心と善い行いの後に、イスカリオテのユダの醜い心と悪い行いとを記しています。12弟子のひとりでイスカリオテのユダといえば、キリストの福音が語られるところでは必ず裏切り者として語られます。
 ダンテは「神曲」の地獄篇の中で、ユダを地獄のドン底の氷の海に置き、悪魔に噛み砕かれて苦しむ者として描いています。そこは神の愛に叛いた冷たい打算的な人の住む所です。では、ユダはどうしてイエス様を裏切ったのでしょうか。

むさぼり
 ユダが金銭を愛したという非難が《ヨハネ12:6》にあります。彼はナルドの香油を見て300デナリと値踏みするように、お金には誰よりも強い関心を持っていました。そしてイエス様の首には賞金が掛けられ、イエス様はお尋ね者になっていました(ヨハネ11:57)。マタイ福音書によればユダは既に銀貨30枚をもらって、イエス様を引き渡す機会をねらっていたようです。《Tテモテ6:10》に「金銭を愛することはすべての悪の根である」とありますように、たといどんなに良い動機があっても、お金のことで頭がいっぱいになるとサタンがつけこんで来ます。

嫉 妬
 次に、イスカリオテのユダは優れた人であったと思われます。福音書では、ユダの名は12弟子の一番最後に書かれていますが、それは彼が裏切り者になったせいです。東方教会の12弟子のリストでは、3番目か6番目に名が出てくるし、イエス様が彼にお金を預けておかれたのを見ても、信頼できる人であったことが分かります。そのユダは同時に、頭になりたい、主に愛され尊ばれたいという気持が強くあったでしょう。有能な人ほど名誉欲、自己顕示欲、そして嫉妬心が強いものです。
 それなのに、自分が非難したベタニヤのマリヤがイエス様から誉められて、自分の立場が無くなってしまった。それ以前にユダはペテロとヨハネをイエス様が特別に愛することを妬んでいましたから、マリヤのことで嫉妬が怨みに発展したとも考えられます。

野 心
 更に、ユダはイエス様を世界征服のメシア王となるべきお方であると見込んで弟子になりました。それは自分が高い地位につくためです。出世欲、権力欲ほど男の中で根深いものはありません。それは自己中心であって、自分の意思で全てを動かしたいという心です。
 しかし、ユダはイエス様に失望しました。このままでは捕えられて殺されてしまうだろう。そこでイエス様を裏切ることによって、逆にイエス様を奮い立たせようとした。しかし、それが失敗に終わったので、ユダは銀貨を神殿の中に投げ込んで自殺してしまったのだ、という解釈もあります。
野心はその心に定めた目的のために、愛も名誉も美しいものもみな踏みにじってしまいます。

背教者片山潜
 実例を挙げますと、明治のキリスト者で後に背教者となった片山潜は神学校で学んだ人であるのになぜ背教者になったのか。彼はキリストの十字架の死を自分の罪のための贖いと信ずることが出来ず、キリストは社会の罪を担って犠牲となったと見ました。だから自分もイエスと共に、イエスの心を自分の心として社会を改革しようとしました。彼は日本で労働運動を行って投獄され、釈放されてからアメリカに渡ってアメリカ共産党の結成に参加し、病気になって昭和8年クレムリン病院で死にました。

サタンが心にはいる
 これらの幾つかの原因は一つのことばで言い表すことができます。それは「サタンがユダの心に入った」(ヨハネ13:27,ルカ22:3)ということです。これは恐るべき言葉ですが、むさぼりや嫉妬や野心を持っていると、サタンが心に入ってきます。そして尊敬する師を敵に売り渡す裏切り行為にまで、発展するわけです。

 次に、黒人霊歌の「弟子となしたまえ」の1番、3番、4番を引用します。

    1.弟子となしたまえ  わが主よ、わが主よ
      弟子となしたまえ  わが主よ
      こころの底より   弟子となしたまえ わが主よ

    3.清くなしたまえ   わが主よ わが主よ
      清くなしたまえ   わが主よ
      こころの底より   清くなしたまえ わが主よ

    4.ユダにはなるまじ  わが主よ わが主よ
      ユダにはなるまじ  わが主よ
      こころの底より   ユダにはなるまじ わが主よ
           
 油断することなく自分の心を護り、心の王座にイエス様を仰いで行こうではありませんか。
                                     アーメン
次回予告 11.10.9 従 順(マルコ14:12〜16)

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