トップページ >> 説教 >> 使徒行伝 >> (99)
                                           2004/09/26の礼拝説教
  危地からの脱出

   使徒23:12〜22
   民数記21:1〜9
   ヨハネ8:46〜59                  皆川尚一牧師
夜が明けると、ユダヤ人らは申し合わせをして、
パウロを殺すまでは飲食をいっさい断つと、誓い合った。
この陰謀に加わった者は、四十人あまりであった。
彼らは、祭司長たちや長老たちのところに行って、こう言った。
「われわれは、パウロを殺すまでは何も食べないと、
堅く誓い合いました。ついては、あなたがたは議会と組んで、
彼のことでなお詳しく取調べをするように見せかけ、
パウロをあなたがたのところに連れ出すように、
千卒長に頼んで下さい。われわれとしては、
パウロがそこにこないうちに殺してしまう手はずをしています」。
ところが、パウロの姉妹の子が、この待伏せのことを耳にし、
兵営にはいって行って、パウロにそれを知らせた。
そこでパウロは、百卒長のひとりを呼んで言った、
「この若者を千卒長のところに連れて行ってください。
何か報告することがあるようですから」。
この百卒長は若者を連れて行き、千卒長に引きあわせて言った、
「囚人のパウロが、この若者があなたに話したいことがあるので、
あなたのところに連れて行ってくれるようにと、
わたしを呼んで頼みました」。
そこで千卒長は、若者の手を取り、人のいないところへ
連れて行って尋ねた、「わたしに話したいことというのは、何か」。
若者が言った、「ユダヤ人たちが、パウロのことをもっと詳しく
取調べをすると見せかけて、あす議会に彼を連れ出すように、
あなたに頼むことに決めています。どうぞ、彼らの頼みを
取り上げないで下さい。四十人あまりの者が、
パウロを待伏せしているのです。彼らは、パウロを殺すまでは
飲食をいっさい断つと、堅く誓い合っています。
そして、いま手はずをととのえて、あなたの許可を待っている
ところなのです」。そこで千卒長は、
「このことをわたしに知らせたことは、
だれにも口外するな」と命じて、若者を帰した(12〜22節)。

危地におちいる
 パウロはローマ軍の介入によって、ユダヤ人議会の混乱と暴力と死の危険から一時的に助け出されました。そして兵営にかくまわれたのですが、それで問題が解決したわけではありません。翌朝にはパウロを暗殺する40数名のユダヤ人決死隊が結成されて、議会に来る途中でパウロを襲う陰謀が企てられました。彼はまさしく危地におちいったのです。

危地からの脱出
 しかし、パウロはその前夜、主に祈りをささげていました。八方ふさがりと見えるような場面でも、わたしたちには天が開かれています。すべての解決は天から起こります。その夜、イエス様がパウロのそばにお立ちになって言われました、 「しっかりせよ。あなたは、エルサレムでわたしの
ことをあかししたように、ローマでもあかしをしなくてはならない」と。

 天ではパウロについての人生計画が立てられており、エルサレムで
終わることにはなっていなかったのです。かならず、ローマの都でローマ皇帝の前で、イエスはキリストであることをあかしすることになっていました。

* 支那の老子の言葉に、 「天網恢恢、疎にしてもらさず」 とあります。
その意味は、「天は大きな大きな網を張っている。その網は目があらいように見えても、決してもらすことはしない」というのです。

 パウロ暗殺の陰謀は、当時エルサレムにいたパウロの甥の耳に入りました。甥の急報によってローマ軍の千卒長は陰謀の裏をかいてパウロをカイザリヤに移送するための手を打ちました。こうしてパウロは危地から脱出することになったのです。

イスラエル人の危機
 民数記第21章によれば、エジプトを脱出したイスラエル人は荒野の旅の厳しさに耐えかねて、神様と指導者モーセに対して不平不満をぶちまけました。そこで神様は「火の蛇」と呼ばれる毒蛇を送って民を罰しました。火の蛇に咬まれた人はどんどん死んで行きました。
「水がない、食物がない、どうしてくれるんだ!?」と反抗した人たちの数は非常に多かったので、このままでは民族絶滅の危機におちいる恐れがありました。民は自分たちの罪を悔い改めて、火の蛇を取り去って
下さるよう祈ることをモーセに懇願しました。そこで、モーセが祈ると
主は答えて言われました、

  「火のへびを造って、それをさおの上に掛けなさい。
  すべてのかまれた者が仰いで、それを見るならば生きるであろう」と。

 モーセが青銅で蛇の模型を造って、それを棹の上に高く掲げますと、
すべて蛇にかまれた人は、その蛇の模型を仰ぎ見ることによって生きることが出来ました。

 これがイスラエル人の危地からの脱出に役立ったわけですが、それにしても何で、そうなったのか理解できない人々もいたのです。つまり、仰ぎ見るだけで蛇の毒が消える、ありがたい毒消しのご利益を与える蛇神
ネホシタンとして、蛇を拝む人々が出て来ました(列王紀下8:14参照)。
これでは、また新たな偶像礼拝におちいって、自分の身を滅ぼすことになってしまいます。

 神様がピカピカ輝く青銅の蛇を木の棹の上に掛けさせたのは、蛇が
神様に呪われたことを天下に示すためだったのです。≪申命記21:22≫に録されているように、「神に呪われた者は木に掛けられる」のです。
それは罪を犯した者の罪を神様が呪って消滅させたしるしです。それと同じく、火の蛇の毒を神様が呪って消滅させたしるしとして、青銅の蛇が棹の上に掲げられました。それは蛇にかまれた人が蛇を拝むことによって救われるのではなく、蛇の毒が神に呪われて滅ぼされたことを確認
して感謝するためだったのです。

 こうして、人の思いを遥かに超えた方法で神様はイスラエル人を危地から脱出させて下さいました。

敵の目をくらます
 また、≪ヨハネ福音書8:31〜59≫を見ると、イエス様がユダヤ人たち
から悪霊つきだとののしられて、殺されそうになった様子が描かれています。イエス様の真理のみことばを理解できないユダヤ人たちは話せば
話すほどますますイエス様を憎んで、ついに石で打ち殺そうとしました。

  「しかし、イエスは身を隠して、宮から出て行かれた」(59節)。

このように記されています。 敵意をもつユダヤ人たちに囲まれていて、
どうやって身を隠したのでしょうか?それは神様が敵の目をくらまして、
イエス様を見えなくさせたのだと思われます。

* 昔、ソドムの町を視察に行った、ふたりの天使がロトの家に入ったとき、ソドムの町の無法者たちがおしよせて戸口を破ろうとしました。
しかし、天使たちが彼らの目をくらましたので、どこに戸口があるのか、無法者たちには全く見えなくなりました。

* 又、こんな話もあります。ソビエト連邦時代に、ある日本人がスーツ
ケース一杯のロシア語聖書を持って、ナホトカの税関を通ろうとしました。人々の長い列に加わって順番に鞄やスーツケースを開けて調べられるのですが、彼の番が来たとき、税関の兵士には彼の姿もスーツケースも見えないらしくて、いきなり彼の後ろの人が呼ばれて、彼は難なく通過
することが出来たのでした。

 ここで大切なことは、危地におちいった時には、心を静めて主に祈り、全能の神の御手に自分をゆだねることです。           アーメン

トップページ >> 説教 >> 使徒行伝 >> (99) >> (100)へ進む